お悩み・自覚症状
目の奥が鋭く痛むようになったのは10年以上前からで、ここ2~3年は耐えられないほどの痛みが左目に集中して出るようになりました。肩や首も左側が常に硬く、頭痛も左後頭部を締め付けられるようにズキズキと痛み、特に目の不調があるときは連動して悪化する感覚があります。
痛みは朝から夜まで続くことがあり、温めても改善せず、自然に引くまでただ耐えるしかない状態でした。眼鏡の使用も難しく、視力の差も影響しているのではと不安に。加えて、深呼吸ができず、声も出しづらく、睡眠中はうなされることも多いとのことでした。
マッサージや鍼治療を受けた経験もありましたが、どれも一時的で再発を繰り返していたそうです。最近ではやる気の低下が顕著で、家事も必要最低限しかできず、悪循環の中にいるような感覚が強まっていました。
(40代 女性)
施術内容と経過
【1診目】
施術前の姿勢評価では、左肩・左腰が高く、右肩・右腰が下がっている左右差が顕著でした。また、頭熱足寒の傾向があり、お腹の張りも全体にみられました。
このバランスの崩れが目の痛みや呼吸の浅さ、肩こりなどに影響していると考え、手足のツボと目元へのお灸を施術。施術後には「呼吸がしやすくなった」「体が軽くなった」との反応があり、即時の身体変化を実感されていました。
【2診目】
前回の施術後好転反応として全身のだるさがあったが、次の日にはすぐに回復。呼吸がさらに深くなり、「やる気が出てきた」との声がありました。一方で、左肩こりや首の前側の重だるさが継続していました。
客観的には、お腹の張りと足の冷えがあり、体内の循環の偏りが残っている様子。
手足、目元のお灸と背部調整も実施しました。
ご自身でも養生として足湯を始めており、セルフケア意識が高まっている様子でした。
【3~5診目】
この頃から目の痛みや呼吸の浅さ、睡眠不良などは改善し、主訴は左の首・肩のこりに集約されていきました。
身体の触診するとお腹の右側、鼠径部の緊張、胸鎖乳突筋の硬さが目立ち、左右差の改善を図る目的で施術を継続。
今も引き続き左の首・肩のこり改善に向けて定期的に通ってメンテナンスしております。
■考察
左半身に集中する目の痛み・肩こり・頭痛などの不調が10年以上にわたり慢性化していました。生活環境の変化や家庭内ストレスなど、心理的・身体的・環境的なストレスが複合的に影響し、症状が増悪していたと考えられます。
特に、体の左右差(筋緊張の偏り)や頭熱足寒による気血の巡りの乱れが、目・首・肩・頭への過剰な負担として現れていたと捉え、整動鍼によってバランス調整を図りました。
通院を通して、「やる気が戻ってきた」「片付けや外出をしたい気持ちが出てきた」といった気持ちの前向きな変化も見られ、身体の変化が心にも良い影響を与えていると感じられる経過となりました。
■使用した主なツボ
外関 足三里 中脘 気海 六谷 上巨虚 陰陵泉 開魄 合谷
※施術の効果は個人差があります。