
こんにちは。鍼灸師の寺嶋です。
先日学生の子を診ていて女性ホルモンだったら確かに全員がそういう症状が出ていてもおかしくないし、改めてなぜだろうと思い、調べてみました。
PMSが起きる仕組み(発生メカニズム)
- 女性ホルモン(エストロゲンとプロゲステロン)の急激な落差
- 排卵後(黄体期)から月経直前にかけて、妊娠の準備のために分泌が高まっていたエストロゲンとプロゲステロンが、妊娠が成立しないと分かると一気に減少します。
- このホルモン値の急劇なアップダウンが体に強いストレスとなり、さまざまな不調を引き起こします。
- 脳内物質(セロトニン・GABA)の不均衡
- 気持ちを安らげる「セロトニン」の分泌や働きは、エストロゲン値の低下に伴って悪くなりやすいことが知られています。
- プロゲステロンの代謝物(アロプレグナノロン)の変動が、脳の興奮を抑えるGABA受容体の感受性を変化させ、イライラや不安感を引き起こします。
- 自律神経や水分のバランスの崩れ
- ホルモン変動の影響で自律神経が乱れ、副交感神経の働きが低下しやすくなります。
- また、プロゲステロンの影響で体に水分を溜め込みやすくなり、むくみや胸の発張、頭痛などの身体症状が出現します。
PMSのメカニズム・原因に関する主要な論文
PMSの研究では「ホルモンの絶対値そのものは正常な女性と変わらないのに、なぜ特定の女性だけ症状が出るのか(感受性の違い)」が長年テーマになっています。
1. 脳内伝達物質とホルモン感受性に関する総説論文
- 論文名: Premenstrual syndrome: etiology, diagnosis and treatment. A mini literature review (2018)
- 概要: PMSの発症メカニズムについて、エストロゲンとプロゲステロンの絶対的な血中濃度ではなく、それらの急激な変動に対する脳内伝達物質(特にセロトニン神経系)の異常な感度(感受性)が本質的な原因であると提示している総説です。
2. 性ステロイドと脳内機能に関する神経科学的研究
- 論文名: The Neurobiology of Premenstrual Dysphoric Disorder: The Role of Steroid Hormones and Neurotransmitters
- 概要: 排卵に伴う黄体期のホルモン変動が、脳内のGABA受容体やセロトニントランスポーターの働きにどう作用するかを検証した研究です。PMS/PMDD(月経前不快気分障害)を持つ女性では、アロプレグナノロン等の神経ステロイドに対する脳の反応パターンが異なっていることが示されています。
3. 日本における自律神経・生活習慣とPMSの研究
- 論文名: 『月経周期・PMS/PMDDにおける自律神経活動の変化に関する研究』
- 概要: PMS症状を持つ女性の心電図データ分析により、黄体期後期(生理前)において睡眠中の副交感神経活動が著しく低下していることを実証した研究などがあり、自律神経の乱れと精神的・身体的症状の関連が裏付けられています。
黄体期後期において睡眠中の副交感神経の活動が著しく低下しているという論文やアロプレグナノロンという神経ステロイドの存在やその反応が人によって違うこともすごく興味深いなと思いました。
鍼灸をすることで脳内オピオイドの分泌を促したり、副交感神経を調整することができるからこそPMSやPMDDに対して鍼が有効であることもより理解を深めることができました。
もしPMSや生理周期のお悩みで気になることがありましたら一度ご相談ください☺️

