お悩み・自覚症状
10日くらい前から腰の痛みと太ももから指先にかけての強い痛みが出てきた。病院に行くと脊柱管狭窄症と診断された。
元々運動をしていて腰を痛める時はあったが痺れやここまでの痛みを感じたことはない。
歩くことは家の中でも辛く、シャワーを浴びるのもトイレに行くのも一苦労している。
痛み止めを服用しているが効いているのかもわからない。動けないからずっと座っているか、横になっているがその体制も最近は辛く感じている。
(60代 男性)
施術内容と経過
初診
家から出ることが困難なため往診での治療となった。
問診をする中で、今の痛みについて詳しく状況をお聞きした。
検査
足を床につけると親指付近が痛む。親指をつかないようにして歩くとなんとか歩ける状況だった。
仰向けで寝ると膝を伸ばすことは痛みのためできず、腰にも痛みが出る。
大腿部の痛みが出るところを確認すると右大腿外側に見られていることがわかリ、そこから腓骨から前を通って親指に痛みがきていた。
また、左足の大腿前面にも痺れがあることがわかった。
腰を診ていくと圧痛はないが張りと足の痛みから背中が左に偏ってしまっていることを確認した。
足の冷えがあるこを確認した。
治療
左側臥位での治療をした。神経の治療として腰のツボを使用。下腿の痺れに対しては膝周りのツボを使用していった。
その後座位で下腿の痺れの出る部分を確認しながら治療を進めた。
治療後、少し痛みが弱くなり終了。
神経の治療をするため足だけでなく腰を診ていくこととを説明している。
セルフケアとして足を冷やさないようにレッグウォーマーの使用をお願いした。
2診目
前回の治療後は少し良かったがまたすぐに戻ってきたとのことだった。
確認すると仰向けで少しだけ膝を伸ばせることを確認できた。
治療は前回同様に行い、L2・3、L4・5間の詰まりと神経痛に対しての治療をしていった。
治療後はまた少し痛みが良くなると言っていた。動きなどの変化はなかった。
3診目
前回の治療からトイレに行くのやシャワーに行くのが少し楽になったが、少し歩くとまた痛みが強くなり、座っていても親指を地面につけていると痛みが出る。少しだけ痛みが軽くなったかもとのことだった。
治療は前回同様に行なっていった。
4〜7診目
痛みはまだあり、歩くことは家のなかがやっとという感じ。少しずつ痛みなく地面に足をつける時間が多くなっていっている。
まだ仰向けで寝ていると足が辛くなってくるのと、膝を伸ばしきることはできない。
治療は鍼とお灸を使用しなが行なっていった。股関節の動きを見ながらの治療もしていきながら、座位で上背部の治療をして偏ってしまっている脊柱に対しての治療もしていった。
8〜10診目
お仰向けで膝を伸ばすことができ、家の中なら歩くことはできるようになってきた。
座っていての痺れや痛みを感じることはなく、よくなっていることを実感していた。
歩くことはできるようになっていたが、胸椎の傾きがありそのため腰に痛みを感じるようになっていた。
この時期から仰向けで膝を伸ばすことができるようになり、寝返りも痛みなくでききるようなった。
まだ仰向けの姿勢が続くと痛みと痺れが出てくるとのことだった。
治療は左側臥位と座位中心に行い、仰向けでの治療は単刺で動きを整える治療のみ行なった。
治療後に家の外のポスト(徒歩1分圏内)まで行けるようになった。
11診目
痛みと痺れが一気に良くなったとのことだった。だいぶ歩けるようになり外にも出て行けそうな感覚があるとのこと。
座っていての痛みはないが仰向けでの痺れは感じる。仰向けの姿勢は痛みを感じない時間が長くなっている。
膝や股関節、足首の動きでの痛みがなく動かせていた。
治療は同様に行い、この時期からリハビリとして外を歩いてもらうようにした。
12診目
外も歩けるようになり、少し車の運転をしてもできたとのことだった。
まだ指先に痺れた痛みを感じる瞬間はあるが、日常的に感じることはほとんどなかった。
次回から院での治療に切り替えていくことを決めた。
13診目
院まで来る際に運転も歩くこともでき、痛みや痺れはなかったとのこと。
時々痺れはある。
背中の歪みが残っていたのでそこの治療と指先の治療として足背のツボを使用していった。
14診目
痛みを感じることはなく、買い物や食事にも出かけることができているとのことだった。
検査していても痛みや違和感を感じることなく、胸椎の歪みもなくなり元の姿勢で立てるようになっていた。
その後も間隔を広げながらメンテナンスとしての治療をしている。
考察:今回の症例は脊柱管狭窄症と診断され、指先までの強い神経痛があった。痛みから姿勢も前屈になることが多く、冷えがあることから治療をしながら生活習慣(姿勢、セルフケアなど)を変えていく必要があると感じた。
治療としては、腰椎の棘間を広げることと、神経に対しての治療をしていくことを主にしていった。
セルフケアとして足を温めてもらうことと、ソファーに座る際の座りかたを伝えていった。
その結果初めは徐々にであったが、冷えと動きが良くなると同時に症状の改善をすることができた。
主に使用したツボ:L4(1)開魄 陽陵泉
※施術の効果は個人差があります。