お悩み・自覚症状
腹痛、不安、緊張、気分の落ち込み、イライラ、立ちくらみ、動悸、やる気が起きない、集中力が続かない、生理痛、顎関節症
1番困っているのは腹痛。下痢や便秘は伴わない腹痛。お医者さんからは自律神経の乱れからくるものだろうと言われ他とのこと。
不安や緊張、ストレスを感じやすく、怖い夢もよく見るようなので、あまり眠れていないのかもと。
中2の終わりくらいからほとんど学校に行けていない。
本人が1番辛く不安を抱えていると思うので、お腹の痛みだけでも何とか軽減できたらと、願ってらっしゃる状態でした。
・小学校6年生の夏頃から足を痛がるようになり、次第に横たわると立ち上がれないようになり、病院を転々としましたがなかなか原因がわからず、腰椎分離すべり症とわかったのが卒業間近で、中1の5月に入院して手術をしました。手術は成功し経過良好ですが、腰にボルトが2本入っているので、前屈ができないとのこと。
・卒業、入学、初めての入院・手術と精神的に負荷がかかったためか、中1の7月に円形脱毛症になりました。皮膚科に通い、3ヶ月ほどで治ったが中1の夏休み明け、本人から「やる気が起きない。いろんなことを忘れてしまう。うまく笑えない。人目が怖い。疲れてしまって毎日すごく辛い。」というような相談を受けたとのこと。
・児童精神科に相談したところ、常に不安と緊張状態にあるため、それを和らげる薬を飲んだ方がいいとのことでまずは漢方薬を飲みましたが効果はなく、他の薬は抵抗があったため通院をやめました。
・その頃から、お腹が痛いと訴えることが多く、消化器内科で診ていただきましたが、ガスが少し溜まっているものの異常はないとのことでした。胃薬、整腸剤、いずれも効果はありませんでした。
・血液検査では、貧血気味と指摘されました。
・朝お腹が痛くなることが多かったので、小児科で起立性調節障害の検査もしましたが、血圧は異常なし、心拍数は若干起立性調節障害の傾向にあるが問題ない範囲とのことでした。腹痛の原因は自律神経の乱れだろう。生理不順もあるので一度婦人科を受診するように言われました。
・婦人科ではホルモン値に異常はなく、子宮や卵巣の病気もないとのことでした。ただ、生理痛があり月経量も多いため、半年前から低用量ピルを飲んでいます。ホルモンバランスを整えることで腹痛も改善されるかもしれないとのことでしたが、今のところあまり効果はありません。
・口を開ける時にガクっと音がするようになり検査したところ、寝ているときの食いしばりが強いということがわかりました。ただ、顎関節症は今のところ軽症とのことで、経過観察中です。
・中2(昨年)の11月末にコロナに羅漢してから腹痛が悪化し、徐々に学校を休むようになり、中3になってからは数回しか登校していません。
・学校を休むようになってからは腹痛はあるものの少し調子が良さそうでしたが、受験が近づきストレスを感じているのか最近また頻繁に腹痛を訴えるようになり辛そうなので診て欲しいとお母様の要望もあり来院。
(10代 女性)
施術内容と経過
【初診】
脇腹のどっちかがいたむ。胃が圧迫される痛み、針で内側から刺される痛みなど感じ方はその時々による。
腹診をした時に拒按。みぞおちに圧痛
左右の揺れ方は右のが揺れづらかった。
背中肺経のところ、腎のところ、前面胃のあたりが皮膚の感じから弱くなりやすいことが診て取れました。
当時中学生ということもあったので治療は鍼は刺さず、お灸とていしんとお灸での治療から始めました。
お話しを聞いていると体に力が入りやすそうでしたので、力が抜けるよう自律神経にアプローチしていきました。
【2診目】
2日後に来院。
今朝少し痛み。普段10あったら5〜6の痛みが3くらいの腹痛だった。昨日は痛みなし。
夢は見る。受験日近いとのこと。
前回と比べてお腹の圧痛がやや和らいだ。
【3診目】
5日後に来院。
食いしばりが強いため、胸鎖乳突筋の近くをマッサージも入れつつやっていきました。
背中は基本的にていしんで流すように施術をしていきました。
【4診目】
1週間後に来院。
木、金、今日お腹痛い。痛みの度合いは落ち着いてたままではあるが痛みの頻度はある。
明日受験とのことで緊張している模様。
1週間持つようにあずきの力と呼吸法を指導。
【5診目】
水曜の塾の日だけ痛い。
仙骨温め始めてからぐっすり寝れるようになってきた。
夢はまだ見るが、起きてからも覚えているほどのものは少ないとのことで少しずつ自律神経の副交感神経が寝ているときに働いて休めるようになってきている。
【6診目】
平日は全部痛かった。休日はへいきだった。
生理は先週来た時に始まっていて水曜日くらいまで続いていた。
たちくらみとかがたまにある。
今週はわりと腹痛が強かった。
【7〜10診目】
痛みが毎日ある週から10診目には週に1回程度の痛みに減ってきた。
【11診目〜13診目】
痛みはまだ不安定だったが、痛みの度合いが最初に来ていた頃よりも弱くなってきている。
【14診目〜20診目】
高校生活が始まり、本人は学校に通えるか心配をしていたが、始まって数ヶ月経っても学校に通えている。
と定期的にメンテナンスをしていること、生理痛の時の腹痛が強くピルの処方も受けることによって腹痛も激減。
友達との旅行にもいけたと報告してくれました。
【考察・まとめ】
中高生の自律神経はとても繊細で環境の変化、ストレス、生活リズムの乱れなど様々な要因から起きてくることが多い。
そのため、しっかりその子の目線に立って、一緒に原因を見つけていくことが重要だと感じた症例でした。
また、若ければ若いほどツボの反応は良いので、使うツボや、刺激量には注意して施術する必要があると思います。
【よく使ったツボ】
百会、合谷、足三里、三陰交、陰陵泉、腎兪、心兪
※施術の効果は個人差があります。