お悩み・自覚症状
半年前から毎日のように動悸が起こり、1回につき15~30分ほど続く。ゴルフ中に動悸が止まらず救急搬送され、脱水症と診断されたが、その後も頻繁に発生。循環器科で精密検査を受けたが異常なしとされるも、動悸時の不安感が強く、「このまま死んでしまうのではないか」という恐怖を感じるようになった。
仕事では長年の経営によるプレッシャーが大きく、家庭では高齢の両親の将来や兄弟間の役割分担に悩みを抱えている。これまでの趣味だったゴルフや筋トレも、動悸への不安から控えるようになり、気持ちが不安定になっている。
(60代 男性)
施術内容と経過
・初診
問診を進める中で、自律神経が乱れおり過去の倒れた事をきっかけに脳が記憶して繰り返し症状がでていることが分かりました。客観的に見ると、肩で息をしている状態でした。
検査
お身体を触れると頭熱足寒で、胸鎖乳突筋、首肩の凝りが強くありました。胸ではなくお腹を触れているのに鼓動の早さと動悸の強さが伝わって来ました。
治療
初回
全身のバランスを整え、自律神経を調整するために、お腹・手・脚のツボを使用し、筋肉の緊張を緩めました。
また、不安感が強いため、リラックスして施術を受けられるように、置鍼中はベッドサイドで付き添い、声掛けを行いました
・2診目
施術後のだるさは特に感じなかったが、帰宅時の寒暖差で動悸が起こったとのこと。
今回は、前回よりも刺激を強め、前回の施術に加えてうつ伏せの治療を行い、身体の緊張をさらに緩めました。
また、首を上に向けた際に詰まり感があったため、肩甲骨のツボを用いて詰まりを改善しました。
今回も不安感が強かったため、置鍼中は安心して過ごしていただけるよう、引き続き側でサポートしました。
3診目
身体の緊張が解れてきており、調子が良くなってきた。前回の施術後から不安感がなくなり、動悸の頻度も減少。
これまでは寒暖差による動悸が多かったが、今回は仕事の会議中に発生したとのこと。
前回と同様に、動きの確認や腹部・背部の凝りを確認し、緩めながら自律神経の調整を行いました。
この頃から、置鍼中は席を外すようになりました。
4診目
前回から動悸は一度も起こっていないが、突然の不安感が一度だけあった。
調子が良くなってきたことで、ご友人と1ヶ月半後に沖縄でゴルフをする約束をしたとのこと。
しかし、「この症状がある状態で飛行機は大丈夫か?」「ご友人に迷惑をかけないか?」と考えてしまうことがあったようです。
5〜7診目
以前よりも調子は良くなっているが、まだ万全ではない状態。
引き続き、患者自身がしっかりと変化を感じられるよう、良くなるイメージを伝えながら施術を行いました。
8〜10診目
経過は良好で、動悸や不安を感じることなく過ごせている。
以前は不安が強く、ゴルフコースを回ることができなかったが、現在は回れるようになったとのこと。
その後、沖縄旅行では、飛行機移動・ゴルフ場・その他の時間すべてにおいて動悸や不安は一切発生せず、ご友人と楽しく過ごせた との報告をいただきました。
現在も治療は続けていき、ケアをしつつ健康自立を目指していきます。
考察 : 半年前から頻発する動悸を主訴とし、循環器科の精密検査では異常なし と診断されたものの、不安感の強さから日常生活に支障をきたしていたケースである。動悸の発症は、寒暖差や仕事のプレッシャー、家族の問題による精神的ストレスが引き金となっており、自律神経の乱れが根本原因 であると考えられる。
主に使用したツボ
足三厘、外関、中脘 気海 上巨虚、四瀆、背部硬穴
※施術の効果は個人差があります。