
こんにちは。 鍼灸院ひなたの寺嶋です。
5月24日(日)、不妊カウンセリング学会の学術集会に出席してきました。今回の大きなテーマが「男のきもち(男性不妊)」についてでした。
これまで不妊治療というと、どうしても女性側にスポットが当たりがちで、当院でも奥様を中心に関わらせていただく機会が多くありました。しかし、治療における男性の葛藤やプレッシャー、そして心の痛みもまた、非常に深いものであると改めて痛感する貴重な機会となりました。
様々な分野の先生方のお話の中で、特に心に残ったのが、こうのとり相談室の渡辺みはる先生のご講演です。
渡辺先生は、無精子症の男性が「第三者からの精子提供による人工授精(AID)」に臨むまでの、複雑で繊細な心理背景、そしてそうした患者様への寄り添い方についてお話ししてくださいました。
自分の血を分けた子どもではないかもしれない、という葛藤。 男性としてのプライドや、パートナーへの申し訳なさ。 言葉にできないほどの大きな不安を抱え、悩み抜いた末に決断されるご夫婦の姿と、そこに根気強く、温かく伴走される渡辺先生の関わり方に、胸が熱くなると同時に、深く考えさせられました。
このお話を聞きながら、私は「鍼灸師として、もっと男性のお力になれる部分があるはずだ」と強く感じました。
当院の鍼灸治療は、体のお手入れ(精子の質や運動率の改善、心身の疲労回復など)はもちろんですが、それと同時に「心がほっと一息つける場所」でありたいと考えています。
特に男性は、不妊治療の悩みを周囲に相談できず、一人で抱え込んでしまいがちです。だからこそ、リラックスできる空間で体を調えながら、誰にも言えない本音や不安をそっと吐き出せるような場所が必要です。
渡辺先生のお話を通じて、私は不妊治療の本質について改めて気づかされました。
不妊治療の本質とは、ただ子どもを授かることだけではなく、「どんな状況であっても、ありのままの自分を愛せるようになること」なのではないかと思います。
結果がどうであれ、悩み、向き合ってきた自分たちを認め、愛してあげること。 そしてその深い愛は、やがて生まれてくるお子さんにも必ず「あなたがあなたとして生まれてきてくれて、本当に嬉しい」というメッセージとして伝わっていくはずです。
今までは奥様のサポートが中心となることが多かった私ですが、これからはご主人様、そして「ご夫婦二人」の心と体に、より深く寄り添っていきたいと決意を新たにしました。
「二人で進む妊活」の中で、少しでも心が軽くなり、前を向けるよう、これからも精一杯お手入れをさせていただきます。いつでも気軽にご相談くださいね。

