
◆ はじめに:「見えにくい疲れ」が、あなたを止めている
こんにちは。鍼灸院ひなたの山元大樹です。
最近こんなお声をよくいただきます。
- 「目の奥がズーンと重く、集中できない」
- 「夕方にはまぶたが落ちてくる」
- 「サプリを飲んでも、蒸しタオルをしても改善しない」
- 「目薬が効いている気がしない」
これは“ただの目の疲れ”ではなく、
体の深部からのSOSです。
眼精疲労は、文字通り「目を酷使したことによる疲労」と思われがちですが、
その背景には、ストレス・自律神経の乱れ・姿勢・血流障害など、
複雑に絡み合った問題が隠れています。
◆ 眼精疲労の正体 ― 目だけの問題ではありません
🧠 現代医学の見解
- 長時間のスマホ・PC作業でピント調整筋(毛様体筋)が緊張しっぱなし
- 頸部の血流障害 → 眼球・視神経への酸素供給が低下
- 自律神経のバランスが崩れ、副交感神経が働きづらくなる
- まばたき減少 → 涙の蒸発 → ドライアイ・視界不良
🌿 東洋医学の見解
- 「目は肝の竅(あな)」→ 肝血の不足・鬱滞が視力や目の症状に
- 「目の疲れは気の流れの乱れ」→ ストレスや消化器の不調も関与
- 後頭部〜首〜肩の緊張が、「目の奥の鈍痛」に変わるルートを作る
◆ 「眼精疲労は首と脳と関連している」という考え方
東洋医学的にも現代解剖学的にも、
「後頭下筋群(こうとうかきんぐん)」という小さな筋肉が、
目の疲れと深く関係していることが分かっています。
この筋群は:
- 脳の硬膜とつながり、頭の緊張を引き起こす
- 頸椎のゆがみと関係し、血流障害を引き起こす
- 視覚・平衡感覚の調整にも関与
つまり、**「目が疲れている」=「脳が悲鳴を上げている」**状態なのです。
◆ 鍼灸でアプローチできること
私たちが行う鍼灸は、「目の筋肉をゆるめる」だけではありません。
✅ 全身の調和を整えながら、目の奥の疲れを抜いていきます
● 血流改善
- 後頭部・おでこ・眉間・こめかみ・肩の血流を促進
- 経絡を通じて、眼窩内の循環も改善
● 自律神経の調整
- ピント調整やまぶたの開閉は、自律神経が支配
- 鍼灸で交感神経の過緊張を緩和 → 深いリラックスへ
● 呼吸と姿勢の改善
- 斜角筋・肩甲挙筋・板状筋などの深層筋を調整
- 「目の疲れが軽くなると、呼吸もしやすくなる」と多くの患者さまが実感されています
◆ 鍼灸後の声:「視界が広がった」「色が明るく見える」
これは誇張ではありません。
眼球周囲の緊張がゆるみ、
血流が回り、
視神経への酸素と栄養が届くようになると、
“見える世界そのもの”が変わったように感じるのです。
これは、ただのリラックスではなく、
体が本来のバランスに戻った証です。
◆ 最後に:目の奥のしんどさは、がんばりすぎた体からの合図かもしれません
目が疲れているとき、
それは「そろそろ、ちょっと休みませんか?」というサイン。
でも、忙しさの中でつい後回しになってしまう。
そんな方を、たくさん見てきました。
鍼灸には、目の周りだけでなく、
体全体のバランスをやさしく整えてくれる力があります。
目が軽くなると、肩や頭もスッと楽になって、
「なんだか、また頑張れる気がする」
そう感じてくださる方が多いです。
目が楽になると、気持ちまで少し前向きになる。
そんな時間を、ここ“ひなた”で一緒に過ごしてみませんか。
お読みいただきありがとうございました。