お悩み・自覚症状
6年前からふくらはぎのむくみや微熱、胃の不調、心身の疲労感を感じるようになりました。特に座っているとむくみが悪化します。毎日午前中には体が暑くなり微熱が出る一方で寒気や身震いもあります。食後に胃が痛むことが多く、動悸やめまい、疲れやすさ、やる気の低下にも悩んでいます。これらの不調が生活に影響を与えており、心身の健康を取り戻し、復学し快適な日常を送りたいとお母様とご来院されました。
(20代 女性)
施術内容と経過
・初診
問診を進める中で、過去の精神的な出来事がきっかけとなり、長期間悩まされて慢性化していることが分かりました。客観的に見ると、歩行時に力が入らず、体が震える様子が見られました。また、エネルギー不足から声に力が入らず、か細い声でお話をされていました。主観的な症状以外に、足の冷えも確認出来ました。
検査
首 動きの制限はない
胸鎖乳突筋が硬く呼吸が浅くなっていた。
肩 僧帽筋上部に硬さが見られました。
腹診では全体的に硬さが見られました
お身体を触れると頭熱足寒になっておりました。
身体は猫背で、丸まっていました。
脈診:不整脈になっていた。
治療
刺激量に注意を払いながらお腹や肩を緩める為、頭部や腕に鍼をし遠隔治療を施しました。
治療後は少しスッキリしたご様子でした。
・2診目
前回の治療後2日間は好転反応で熱が出てしまった。
胃痛に関しては、痛くならずに過ごせたと変化に気づいていただけました。
初診後で好転反応が出ている関係で、今回も刺激量を抑えて全身の調整を仰向けで足、手、お腹にしていきました。
お母さんや御本にも好転反応のことをお伝えし一緒に乗り越えて行こうと約束しました。このことが安心感に繋がったと考えます。
3診目
今回も前回同様、治療後に好転反応が起こりましたが、それを乗り越えてご来院されました。患者様ご自身も「ふくらはぎのむくみが改善している」と変化を実感されていました。実際に足元を触診したところ、冷えが緩和し、温かさが感じられました。今回も刺激量を抑え、前回同様に仰向けのみで施術を行いました。
4〜7診目
好転反応が落ち着いてきているとお話いただき、客観的にも足元のふらつきが見られなくなっていました。また、胃痛や浮腫も気にならなくなり、少しずつ笑顔が増えている様子が伺えました。今回は刺激量を調整し、うつ伏せからも自律神経にアプローチする施術を行いました。
8診目
好転反応か出てこなかった。と喜んで報告をしてくださいました。客観的にこの辺りから身体のエネルギー戻ってきて声がでるよになっていた。
今気になるのは動悸で、週に4日程、4時くらいに動悸が起こり目が覚める。その後1時間くらい寝れないことが辛いと教えてくださり、自律神経調整が出来るように背中メインで施術いたしました。
・9〜13診目
好転反応が出なかったと、喜びながら報告してくださいました。客観的にも、この頃から身体のエネルギーが戻り始め、声がしっかりと出るようになってきていました。新たに気になる症状として、週に4日ほど、午前4時頃に動悸が起こり目が覚め、その後1時間ほど眠れないことが辛いとお話くださいました。これに対応するため、自律神経の調整を目的に、背中をメインに施術を行いました。
現在も治療はしていて、ケアをしつつ疲れずらい体を目指していきます。
考察 : 今回の症例では、過去の精神的な出来事が身体全体に影響を及ぼし、慢性的な不調が長期間続いていることが特徴的でした。特に、歩行時のふらつきや震え、声の力強さの欠如といった症状から、エネルギー不足や自律神経の乱れが顕著に現れていたと考えられます。また、触診や問診の結果、全体的な冷え(頭熱足寒)や筋肉の硬さ、脈診での不整脈が確認され、身体の内外で複合的な不調が存在していました。
鍼治療していくことで多くの症状が減少することを確認しました。
患者さんにも毎回の変化に目を向けていただきながら治療を進めたことで、順調に症状改善へとつながったと考えています。
主に使用したツボ
足三厘、三陰交 合谷、開魄、Th4(2)、背部硬穴
※施術の効果は個人差があります。