その不快感、「気のせい」ではありません

こんにちは、鍼灸院ひなたの山元大樹です。

「喉の奥に何かがずっと張りついている」
「痰が絡む感じがあるけれど、咳き込んでも出てこない」
「耳鼻科では異常なしと言われたけど、つらさは消えない」

こうした“何となく続く違和感”、**後鼻漏(こうびろう)**である可能性があります。

後鼻漏は目に見える痛みではない分、理解されにくく、
病院での治療だけでは「スッキリしない」と感じる方も多い症状のひとつです。

今回は、東洋医学と最新のエビデンスの両方の視点から、
このやっかいな症状への道筋を探ります。


後鼻漏とは?|現代医学の視点から

後鼻漏とは、鼻の奥から喉にかけて分泌物(鼻水や痰のようなもの)が流れ込み、不快感をもたらす状態のことを指します。
医学的には「鼻後滴流(postnasal drip)」と呼ばれます。

原因として多いのは:

  • 慢性副鼻腔炎(蓄膿症)
  • アレルギー性鼻炎や寒暖差アレルギー
  • 上咽頭炎(のどと鼻のつなぎ目の慢性炎症)
  • 胃食道逆流症(GERD)
  • アデノイド肥大(特に小児~若年成人)

アデノイド肥大が関与しているケースも

特にお子さんや若年層で後鼻漏が慢性的に続く場合、アデノイド(咽頭扁桃)肥大が関係していることがあります。

アデノイドは、鼻の突き当たり=上咽頭にあるリンパ組織で、成長とともに一時的に肥大します。
免疫の“番人”のような役割ですが、大きくなりすぎると以下のような不調を招きます:

  • 鼻の奥がふさがれ、口呼吸になりやすい
  • 鼻水が正常に排出されず、後鼻漏として喉に垂れてくる
  • 睡眠時のいびき・無呼吸、集中力低下の原因になることも

西洋医学的には、薬物療法またはアデノイド切除術が行われることもありますが、軽度〜中等度であれば、体質改善や炎症抑制による自然な縮小も期待できます。


鍼灸でできること|症状緩和+体質調整

鍼灸は、「鼻水を止める」のではなく、
鼻・喉・神経・消化・免疫といった“つながり”を整える医療です。

① 鼻・喉の局所調整

  • 鼻通・迎香・印堂など、鼻づまりや後鼻漏に関与するツボを刺激
  • 炎症のある副鼻腔や上咽頭の循環を促進し、粘液の排出をスムーズに
  • アデノイド周辺の緊張緩和や血流改善も視野に

② 自律神経と免疫の再調整

  • アレルギーや過敏な反応の背景には、自律神経のアンバランスが存在します
  • 鍼灸は副交感神経優位の状態をつくり、炎症と緊張を鎮める作用があります

③ 胃腸との関連にもアプローチ

  • 後鼻漏の中には、胃の不調(胃気上逆)や食道の刺激が関与する例もあります
  • 「鼻と胃はつながっている」という東洋医学の視点から、消化器のケアも重視します

まとめ|鼻と喉、その奥には“つながり”がある

後鼻漏は、鼻や喉だけで完結する症状ではありません。
アデノイドの肥大、胃の調子、神経の緊張――
そういった“背景”に目を向けることが、根本改善への近道です。

「なんとなく気になる」が続いているなら、
今が、“整えるタイミング”かもしれません。

鍼灸という選択肢が、あなたの呼吸と生活を軽やかにしてくれることを願って。
私たちは、その一歩に寄り添います。

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