「目が回る」その正体は、内耳の“耳石”かもしれません

こんにちは、鍼灸院ひなたの山元大樹です。

「顔を動かした瞬間に、ぐるぐると天井が回った」
「寝返りを打つたびにめまいがする」
「耳鼻科でBPPV(良性発作性頭位めまい症)と診断されたけれど、また再発した」

こうしたお悩みを抱えた方から、日々ご相談をいただいています。実は私もBPPV患者のひとりです。

良性発作性頭位めまい症(BPPV)は、最も頻度の高い末梢性めまい疾患(Baloh RW, 1995)でありながら、見た目にはわかりづらく、つらさが伝わりにくい疾患です。

ですが――整える方法はあります。


良性発作性頭位めまい症(BPPV)とは?

BPPVは、内耳の「耳石」が本来の位置(卵形嚢)からずれて三半規管に入り込み、
頭の動きに合わせて誤ったバランス情報が脳に送られてしまうことで、回転性のめまいが生じる病気です。

  • 頭位変換によって誘発される数秒〜1分の強いめまい
  • 吐き気や不安感を伴うことも
  • Dix-Hallpike法やRoll testで診断可能

米国耳鼻咽喉科学会のガイドライン(Bhattacharyya N et al., Otolaryngol Head Neck Surg. 2017)でも、BPPVは「エプリー法(Canalith Repositioning Procedure, CRP)」による治療が第一選択とされています。


なぜ、BPPVは繰り返すのか?

再発率は13.7〜65%と非常に高く(Fife TD et al., 2008)、再発リスクとして以下が挙げられています:

  • ビタミンD欠乏と骨密度低下(Buki B et al., Neurology 2013)
  • 女性ホルモンの変化や更年期(Kim HJ et al., 2017)
  • 高血圧・糖尿病・睡眠障害など全身疾患(Choi HG et al., JAMA Otolaryngol 2016)
  • 頚部筋緊張や自律神経の不安定性(Liu B et al., Eur Arch Otorhinolaryngol 2022)

つまり、耳だけを治療しても根本的な再発予防にはつながりません。
体全体のコンディションを整えることが、鍵になるのです。


鍼灸はBPPVにどう関われるのか?

鍼灸は、西洋医学の「耳石の位置を戻す」治療とは異なり、
**再発しづらい身体づくり=“神経と循環の再調整”**を得意としています。

① 自律神経調整と抗不安効果

BPPVに伴う不安・緊張・吐き気には、交感神経の過緊張が関与しており、
鍼灸には迷走神経刺激とセロトニン増加による鎮静効果(Litscher G, 2010)があります。

→ 鍼刺激により副交感神経が優位となり、平衡機能の安定化に寄与します。

② 頚部筋・後頭部筋群のリリース

頚部の筋緊張が三半規管のリンパ循環を妨げることが知られており(Han BI et al., 2011)、
鍼灸では後頭下筋群、胸鎖乳突筋、僧帽筋などを丁寧にアプローチすることで、
耳・平衡中枢への血流と代謝の改善を目指します。

③ 体質の改善と骨代謝のサポート

BPPV再発と骨粗鬆症には明確な相関があり(Jeong SH et al., Osteoporos Int. 2013)、
東洋医学では「腎=骨」「肝=目・平衡感覚」とも言われます。
腎気を補うツボ(太渓、腎兪)や肝の熱を冷ますツボ(太衝、行間)などを組み合わせ、
土台から強くなる身体づくりを行います。


鍼灸とBPPV|臨床報告と研究動向

  • 2022年のレビュー(Liu B et al.)では、鍼灸がBPPV後の残存症状(ふらつき・不安)に効果がある可能性が示唆されています。
  • 2016年中国のRCTでは、鍼灸+エプリー法併用群の方が、単独施術より再発率が有意に低下(Liang et al., Chinese J Integr Med)
  • 2019年の台湾研究では、BPPV患者において、耳石再発を防ぐライフスタイル指導+鍼灸がQOL改善に寄与(Chang et al., J Tradit Chin Med)

まとめ|めまいに振り回されない

良性発作性頭位めまい症(BPPV)は、命に関わる病気ではありません。
でも、日常を不安に変えてしまう症状です。

鍼灸は、その不安に寄り添いながら、
やさしく整える力があります。ひなたは、全力でサポートします。

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