こんにちは!寺嶋です☺️

日々の臨床の中で患者さんと向き合っていると、技術や知識と同じくらい、あるいはそれ以上に大切なのは「場を整えること」だと痛感します。施術を始める前、お話を伺う前。自分自身の心と、その場の空気をどこに置くか。

そんな「準備の重み」を、意外な場所で再確認することになりました。 それはアニメ『キングダム』の第6シリーズ、その第1話です。

※もしキングダム見てないという方は少しネタバレになってしまうかもなのでスキップしてください🙇‍♀️

「何のために」を定義する、圧倒的なセットアップ

物語はいよいよ、中華の歴史を大きく揺るがす「業(ぎょう)攻略」へと向かいます。手に汗握る合戦を期待して画面を開いた私を待っていたのは、予想に反して、非常に静かで、かつ重厚な「問い」の時間でした。

「なんのために生きるのか。なんのために戦うのか」

第1話のほとんどが、このセットアップに費やされています。 これから始まる凄惨な戦いを前に、信や政、そして相対する趙の将たちが、己の根源にある「志」をもう一度深く掘り下げる。ただ敵を倒すという手段の話ではなく、なぜこの命を燃やす必要があるのかという「大義」を、自分の内側に据え直す作業です。

この導入の優秀さには、思わず唸ってしまいました。

土台を整えることが、結果のすべてを決める

私たちの仕事も同じです。 患者さんが待つ診察室のドアを開ける前、私たちは自分自身を「セットアップ」する必要があります。単に知識や技術を用意するだけでなく、「今日、この方の人生にどう向き合うのか」という自分自身の軸を、一呼吸置いて整える。

この、表からは見えない「事前準備」の時間が、その後の施術の質、ひいては患者さんとの信頼関係のすべてを決めてしまいます。

『キングダム』第1話で描かれたのは、まさにこの「向き合う前の静かな儀式」の極致でした。 凄惨な戦場という極限状態へ飛び込む前に、彼らは「何のために戦うのか」という志を徹底的に研ぎ澄ませる。

現場で心が折れそうになった時、自分を最後の一歩で支えてくれるのは、その場しのぎの「技術」ではなく、最初に行った「セットアップ(志の再定義)」でしかない。

私たちも、日々のルーティンに流されそうになる時こそ、この第1話のような「立ち止まって芯を据える時間」を大切にしなければならない。画面越しに伝わってくる信や政の気迫に、プロとしてのあるべき姿を改めて教わった気がします。

自分の「問い」を育てる時間

慌ただしい現代社会を生きる私たちは、つい「どうやるか(How)」という方法論ばかりに追われ、「なぜやるか(Why)」を後回しにしがちです。けれど、どれほど立派な枝葉を伸ばしても、根っこにある「問い」が浅ければ、強い風が吹いたときに容易く倒れてしまいます。

第1話という、物語の入り口でこれほど丁寧に「セットアップ」を描いてくれたことで、私はこれからの激動の展開を、単なるエンターテインメントとしてではなく、彼らの生き様を追体験するような、より深い視点で見ることができました。

何かを始める前、あるいは壁にぶつかった時。 「自分は何のためにここに立っているのか」

そんな、自分だけのセットアップを行う時間を、大切に育んでいきたいと思う第一話でした。