―顎・自律神経・感情の三重構造から読み解く―

こんにちは。鍼灸師の山元大樹です。

「歯を食いしばってるよ」と言われて、ハッとしたことはありませんか?
無意識のうちに噛み締めていたり、朝起きると顎が重だるかったり…。
それが毎日続いていると、「もう疲れたな」「私、なんでこんなに緊張してるんだろう」と、自分でも気づかぬうちに心がすり減っていきます。

今回は、「食いしばり」という現象を
**顎(構造)・自律神経(神経)・感情(心理)**という3つの層から掘り下げ、
鍼灸がどのようにその根本にアプローチできるのかをお伝えします。


■ 顎の「構造」:食いしばりはどこで起きているのか?

食いしばりの中心となるのは、咬筋(こうきん)や側頭筋といった、顎を動かす筋肉です。
この筋肉たちは、24時間体制で“身を守るための準備”をしてくれているとも言えます。

しかし、その状態が長く続くと…

  • 顎のだるさ・痛み
  • 頭痛(特にこめかみや側頭部)
  • 歯の摩耗・噛み合わせの違和感
  • 顎関節のカクカク音やズレ感

といった“構造的なトラブル”が起き始めます。


■ 自律神経の「緊張」:なぜリラックスできないのか?

食いしばりの背景には、自律神経の過緊張が関係しています。
特に、交感神経が優位な状態が長く続くことで、筋肉が常に“戦闘モード”になってしまうのです。

  • 睡眠が浅い(夜間の食いしばり)
  • 呼吸が浅い(口呼吸・息を止めるクセ)
  • 肩や背中がガチガチ
  • 仕事中、集中すると体が固まる

これらはすべて、自律神経がうまく切り替わらなくなっているサイン。

鍼灸はこの自律神経のバランスを**“頭で考えず、体から緩める”**ことができます。


■ 感情の「抑圧」:言葉にできない思いが、顎に宿る

私が臨床で最も大切にしているのは、**“その人の感情の背景”**です。

「怒りを表現するのが苦手」
「言いたいことを飲み込むことが多い」
「心配性で、ずっと考え事をしてしまう」
「人に迷惑をかけたくない」

そういった方が、実はとても多い。

そして、言葉にならなかった想いは、食いしばりという“身体の声”として表れることがあります。

鍼灸は、そうした感情に“言葉を与える”ような施術でもあります。
鍼一本が「もう頑張らなくていいよ」というメッセージになることもあるのです。


■ 鍼灸でのアプローチ

🌿1. 局所アプローチ(顎・首・肩)

  • 咬筋、側頭筋、胸鎖乳突筋への鍼
  • 頸椎まわりを整え、顎の位置と可動性を回復

🌿2. 全身アプローチ(自律神経)

  • 腹部・背部への施術で交感神経を沈静
  • 呼吸の深さを取り戻す施術(横隔膜ライン・仙骨調整)

🌿3. 感情アプローチ(触診×共感)

  • 丁寧な問診と触れ方で、“感情の緊張”をゆるめる
  • 「語らなくても伝わる」感覚を大切に

■ その“力み”は、あなたが歩いてきた証

食いしばりは、ただのクセではありません。
「自分を守ろう」としてきた、体と心の癖。

だからこそ、責める必要はありません。
ゆっくりと、優しく、解いていけばいい。

鍼灸は、そうした“自分に戻るプロセス”を支える治療法です。

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