更年期障害 鍼灸

こんにちは。鍼灸院ひなたの山元大樹です。

40代から50代の女性に訪れる更年期。
ホルモンバランスの乱れで「なんだか体調が優れない」「感情の起伏が激しい」と感じる方は多いはずです。

  • 突然の顔のほてり・大量の発汗(ホットフラッシュ)
  • 夜中に何度も目が覚める/不眠
  • イライラや不安感、抑うつ気分
  • 肩こり・めまい・動悸・頭痛
  • 生理不順・肌の乾燥・関節の痛み

「年齢のせいだから仕方ない…」と我慢していませんか?
症状には必ず“原因”があり、正しくケアすれば大きく緩和できます。

1 更年期障害とは?

  • 時期:およそ45~55歳頃、卵巣機能が低下して女性ホルモン(エストロゲン)が急減。
  • 症状:身体的にも精神的にも変化が現れ、日常生活に支障をきたすことも。
  • メカニズム:エストロゲン減少→自律神経乱れ→脳の視床下部やホルモン中枢が混乱→全身に不調が波及

2 なぜ鍼灸が効くのか?3つのポイント

◎ ① 自律神経のバランスを整える

更年期は自律神経が乱れやすく、交感神経(“闘争モード”)が過剰になるとホットフラッシュや動悸が起こります。

  • 鍼をすることで、交感神経の緊張をゆるめ、副交感神経(“休息モード”)を優位に。
  • 実際、鍼灸は心拍や血圧の変動を抑え、自律神経指標(HRV)が改善したとの研究報告があります。

◎ ② 血流を促進し、熱のこもりを解消

  • 自律神経のバランスが整うのと同じくツボで全身循環をアップ。
  • 頭部や頚部のツボで上半身の熱感・ほてりを和らげます。

◎ ③ ホルモン代謝をサポート

  • 鍼刺激は下垂体―卵巣軸(HPG軸)にも働きかけ、エストラジオールなど女性ホルモンの分泌を穏やかにサポートする可能性があります(動物実験レベルのエビデンスあり)。
  • 更年期症状の重症度を示すKMIスコア(日本更年期障害学会)でも、鍼灸群が有意に改善したとのRCT報告があります。

3 更年期とは、誰にでも訪れる「揺らぎ」の時間

更年期とは、閉経の前後5年間ほどを指し、
ホルモンバランスが大きく変化することで、
身体や心にさまざまな不調が現れる時期です。

この時期はまさに、「心と身体の調律がうまくいかなくなる時期」。
人によって出方もタイミングもさまざまですが、
決して「気の持ちよう」で片づけられるものではありません。

だからこそ、周囲に理解されにくく、
「なんでこんなに辛いのに誰にも伝わらないんだろう…」
と感じてしまうこともあるかもしれません。


4 鍼灸は、更年期の“揺らぎ”を整えるやさしい手段です

更年期障害に対して、鍼灸は非常に相性が良い施術法です。

東洋医学では、ホルモンの変化や自律神経の乱れを、
全身の調和を取り戻すことで回復を目指していきます。

  • ホットフラッシュや発汗、動悸
  • 倦怠感や肩こり、腰痛などの体のこわばり
  • 情緒不安定や不眠などの心の症状
  • 胃腸の不調や冷えなど、内臓の疲れに関わる症状

そして、施術中は“整える”ことを目的に、
呼吸の深さや脈の状態、内臓の緊張、骨盤・肩甲骨の位置などを丁寧にみていきます。

鍼灸は、筋肉をゆるめるだけでなく、脳内の神経伝達物質やホルモンにも作用し、リラックスを促す“副交感神経”のスイッチを優しく入れてくれます。


「がんばらなくていい」からこそ、回復がはじまる

「前みたいに頑張れない自分が情けない」
「こんなことで休んでいいのかな…」
そう感じている方こそ、今のご自身を許してあげてほしいと思います。

不調があるのは、“弱さ”ではありません。
それは、体がずっとがんばってきたサインです。

だから、治療も無理なく、心地よく、
少しずつ力が抜けていくことからはじめましょう。

「施術中に眠ってしまいました」
「呼吸が深くなって、自分の気持ちに気づけました」
そんなお声を、たくさんいただいています。

5 最後に――“もう一人じゃない”という安心を

更年期障害は誰にも訪れる自然な人生のステージです。
「歳だから仕方ない」とあきらめず、鍼灸で体と心のバランスを取り戻し、笑顔あふれる毎日を取り戻しましょう。

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