
1. 【導入】五月病とは ― それは“怠け”ではなく“自律神経の乱れ”
こんにちは、院長の山元です。
ゴールデンウィークが明けた5月、身体がだるい、やる気が出ない、朝起きられない——そんな声が多く聞かれます。これが、いわゆる「五月病」と呼ばれる状態です。
正式な病名ではありませんが、新生活や異動、環境変化によるストレスが心身に影響を及ぼし、不調として現れる現象として知られています。特に、大学生や新入社員、転職・転勤した方など、“変化”を経験した人に起こりやすいとされています。
2. 【原因】なぜ五月病になるのか?自律神経とストレス反応の関係
五月病の背景には、自律神経の乱れがあります。人間の身体は、ストレスを感じると交感神経が優位になり、「戦う・逃げる」モードに入りやすくなります。
ゴールデンウィークで生活リズムが乱れた後、急激に日常に戻ると、交感神経ばかりが働き、副交感神経がうまく作用せず、心身が回復できない状態になります。
研究では、自律神経の指標である心拍変動(HRV)の低下がストレス下でみられること、また睡眠の質が副交感神経の働きと関係していることが分かっています。一方で、自分では「そんなにストレスを感じていない」と思っていても、体は反応している場合もあり、唾液中のコルチゾール(ストレスホルモン)が上昇している例もあります。
つまり、主観的な「大丈夫」と、体の「つらい」がズレているのが五月病の特徴とも言えるのです。
3. 【症状一覧】五月病の代表的な症状と身体的サイン
五月病では、以下のような症状が複合的に現れることが多くあります。
- 心の症状:
- 憂うつ感
- やる気が出ない
- イライラしやすい
- 気分の落ち込み
- 身体の症状:
- 倦怠感、疲れが抜けない
- 頭が重い、集中できない
- 肩こり、首こり
- 食欲不振、胃の不調
- 寝つきが悪い、夜中に目が覚める
「病院に行くほどではないけどつらい」といった“グレーな不調”をそのままにしておくと、深刻な心身症状に発展する可能性もあります。
4. 【鍼灸の役割】なぜ五月病に鍼灸治療が効果的なのか?
東洋医学では、心と体は切り離せないものと考えられてきました。鍼灸は、気血の巡りを整え、自律神経のバランスを調える働きがあります。
具体的には、
- 鍼灸刺激により副交感神経が優位になり、リラックスモードへ
- 肩や背中の筋緊張を緩和し、脳や内臓の血流を改善
- 呼吸が深くなり、睡眠の質も向上
など、身体全体を深いところから整えていくアプローチが特徴です。
5. 【エビデンス紹介】五月病に対する鍼灸の科学的根拠
以下のような科学的な研究により、鍼灸の有効性が示されています:
- うつ症状(抑うつ):29件のランダム化比較試験(RCT)によるメタ分析では、鍼灸は通常治療や偽鍼に比べて中等度の効果を持ち、抑うつ感を改善するとされています。
- 疲労感・倦怠感:慢性疲労症候群患者への多施設研究では、鍼灸併用群で明確な改善が見られました。
- 不眠症・睡眠の質の低下:肩こりや背中の緊張緩和を通じて、睡眠の質や入眠時間の改善が報告されています。
- 肩こり・肩痛・自律神経失調症状:ドイツやスペインでの研究では、鍼灸が長期的に肩の痛みや筋緊張を軽減することが示されています。
6. 【当院の視点】鍼灸院ひなたの五月病ケア
私たち「鍼灸院ひなた」では、以下のようなアプローチで五月病のケアにあたっています。
- 初診では、自律神経の状態、睡眠、感情、姿勢などを丁寧にカウンセリング
- 整動鍼という技法で、症状に関連する神経・筋肉の連動を回復するアプローチ
- 触診を通して「今ここで起きている体の声」を丁寧に読み取り
- 心理的背景にも敬意を持って関わる
「不調をなくす」だけでなく、「また立ち直れる力を取り戻す」ことを大切にしています。
7. 【セルフケア】五月病対策に役立つ鍼灸的アドバイス
ご自宅でできる簡単なケアもご紹介します。
- ツボ押し(ツボ療法):
- 「内関(ないかん)」:手首の内側にあるツボ。不安感や胃の不快感に。
- 「百会(ひゃくえ)」:頭頂部のツボ。気分の落ち込みや不眠に。
- 呼吸法・自律神経セルフケア:
- 4秒吸って、6秒かけて吐く「腹式呼吸」で副交感神経を働かせましょう。
- 生活習慣の見直し:
- 朝日を浴びる習慣づくり
- ぬるめのお風呂で心身を緩める
- 夜はスマホを遠ざけて脳を休める
“頑張る”より“緩める”ことが、5月には必要です。
8. 【まとめ】五月病は“休息の知恵”であり、“整えるタイミング”
五月病は、あなたの体が「少し立ち止まってほしい」と伝えてくれているサインかもしれません。鍼灸は、そんな心身にやさしく寄り添い、本来の力を引き出すサポートをします。
焦らず、頑張りすぎず、「整える時間」をご自身にプレゼントしてみてください。
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