1. 気圧変動性頭痛とは?

「なんとなく天気が崩れると、頭までズキズキしてくるんです」

台風の前日、曇りの日、低気圧が近づくと必ず起こる頭痛──これは、いわゆる気圧変動性頭痛と呼ばれる症状です。医学的には「気象病」の一種であり、気圧の変化に身体が敏感に反応することで起こります。

私の臨床でも、「痛み止めで抑えてきたけど、年々効かなくなってきた」「薬に頼らずに、なんとかできないか」という声を多く聞きます。今回は、気圧の変動と頭痛の関係、そして鍼灸でできることについて、私の視点からお伝えします。


2. なぜ気圧で頭が痛くなるのか?

気圧の変化による頭痛は、身体が“環境ストレス”をどう処理するかに関係しています。主な要因は次の3つです:

  1. 脳血管の拡張
     低気圧が近づくと外圧が下がり、血管が拡張します。それが神経を圧迫してズキズキとした痛みを生みます。
  2. 三叉神経の興奮
     脳の血管や周囲組織に分布する三叉神経が、血流変化に敏感に反応し、痛み信号を増幅します。
  3. 自律神経の乱れ
     気圧の変動は交感神経を優位にしがちで、身体の緊張や血流不良、神経過敏を引き起こします。

東洋医学では、こうした“内外の変化に揺れる状態”を「風(ふう)」「気(き)」の乱れと表現します。つまり、気象ストレスは“内なる環境”にも影響を与えるのです。


3. 一般的な対処法とその限界

市販の鎮痛薬やカフェイン、冷却ジェル、十分な睡眠など、多くの方が日常で工夫されています。もちろん、これらが助けになることもありますが、

  • 薬が手放せない生活になってしまうこと
  • 効かなくなっていく感覚
  • 副作用や不安感

といった悩みがついて回ります。

症状を抑えるだけでなく、**“どうすればこの身体が変わっていけるか”**に目を向ける必要があると私は感じています。


4. 鍼灸でできること──「整える」という選択肢

鍼灸には、痛みそのものを直接抑えるのではなく、痛みを起こしにくい身体に整えるという力があります。

当院では以下のようなアプローチをとっています:

  • 首・後頭部の血流を改善し、神経圧迫を緩める
  • 自律神経の切り替えを促し、過緊張を解除する
  • 身体が出している“違和感”を丁寧に観察・調整する

とくに、頸椎周囲の緊張、肩甲挙筋や後頭下筋群の硬直は、天気と連動する症状の大きな鍵となります。ここを“触れる”ことで、身体にとって安全な状態を取り戻していきます。


5. 鍼灸の効果を裏づけるデータ

近年、鍼灸が慢性頭痛や緊張型頭痛、片頭痛に有効であることが複数の研究で示されています。

  • 週1回・4週間以上の施術で頭痛発作の頻度が30〜50%減少
  • 痛みの強さ(VAS)や服薬回数の大幅な低下

とくに「薬が効かなくなってきた」「薬を減らしたい」といった方にとって、鍼灸は“もう一つの選択肢”となり得ます。

私自身も、そうした患者さんたちが「そういえば、最近天気が崩れても大丈夫だった」と語る姿を何度も見てきました。


6. まとめ──痛みとのつきあい方を見直すということ

痛みは、身体からのメッセージです。

鍼灸は、その声に対して“抑える”のではなく“聴き取る”手段です。

気圧の変化は、止められない。 でも、その変化に動じない身体を育てることはできる

そんな身体に整えていくこと。私は、それこそが本当の意味での“治る”だと思っています。

気圧の変化で悩む日々を、「私らしく過ごせる日々」に変えていく。 その一歩を、一緒に踏み出しましょう。

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